日本保育連盟千葉支部 第2回勉強会と交流会を開催~保育と療育の連携、そして変化する保育業界のこれからを学ぶ~
一般社団法人日本保育連盟千葉支部(支部長・日向美奈子)は11月19日、船橋市勤労市民センターで今年度2回目となる勉強会と交流会を開催し、千葉県内外から約50人の保育関係者らが参加しました。県内の保育現場は保育士不足や子どもの発達支援ニーズの高まり、地域による保育需要の差など問題が山積しており千葉支部ではこうした状況を踏まえ、現場同士がつながり課題を共有する場を提供することを目的に継続的な学びの機会を設けています。今回も勉強会後は会員同士による交流会も開催され活発な意見交換が行われました。
勉強会では2つの講演が行われました。最初は株式会社フクシアの石田雄大氏が登壇しました。石田氏は近年、保育現場で相談が増えている発達特性や行動面の課題について保育と療育がどのように協力し合えるかを豊富な実例を交えながら解説しました。

支援が必要な子どもが「増えている」のではなく、発達の違いが丁寧に見取られるようになった結果として早期の相談につながりやすくなったという背景を説明。そのうえで、「園と療育機関が協働することで子どもや家庭の負担が軽減され、将来の選択肢が広がる」などと語りました。
続く後半では、株式会社ディアローグの井口智明氏が、保育業界の最新動向と今後求められる保育士像について講演。井口氏は、人口減少と保育需要の変化が進む中で保育が「量の拡大」から「質と選ばれる時代」へと大きく舵を切っていると指摘。専門性の向上、ICTの活用、園の理念の明確化、人材育成の仕組みづくりなど取り組むべき視点を丁寧に示し、「千葉県内でも都市部と郊外で保育需要が二極化している。地域特性に応じた運営方針が大事だ」などと強調しました。

質疑では、園の特色の打ち出し方、離職を防ぐマネジメント、地域ニーズへの対応など現場ならではの具体的な質問が相次ぎ、石田氏、井口氏ともに丁寧に応じ、会場には活発な議論が広がりました。
勉強会終了後には会場を移して交流会が行われました。参加者同士が日頃の悩みや実践を率直に語り合う姿が見られ、「他園の取り組みを参考にしたい」「新たな連携のきっかけが生まれた」といった声が多く聞かれ、千葉支部を起点とするネットワークが地域に着実に根付いていることを実感じさせる時間となりました。千葉支部では、今後も学びと対話の場を継続し、県内の保育の質向上と連携強化に取り組んでいく方針です。

会場にはたくさんの参加者が訪れ、活発な意見交換が行われた
