日本保育連盟千葉支部が定例勉強会開催 ~千葉県の保育行政と人口減少時代の保育施設の未来を考える~

 一般社団法人 日本保育連盟千葉支部(支部長・日向美奈子)は5月26日、千葉県内で定例勉強会を開催しました。勉強会には県内を中心とする保育事業者らが参加し、保育行政の最新動向や人口減少社会における保育施設のあり方について学びを深めました。

 開会にあたり日向支部長は現在、日本保育連盟が星槎大学大学院と連携して推進している「認定保育士養成プログラム」について紹介。第1期生は4月に研究論文の中間発表会を実施し、第2期生も学びをスタートさせていることを報告しました。「保育の専門性を社会に示し、保育士の地位向上につなげる認定保育士制度の創設を目指していきたい」と述べ、参加者に理解と協力を呼びかけました。

今年初めての千葉支部勉強会には県内外から多くの保育関係者らが参加した

 続いて、千葉県こども家庭担当部長の原見律子氏が「保育の課題と千葉県の取り組み」をテーマに講演。原見氏は待機児童対策が進展する一方で、少子化の進行や保育人材の確保や定着、児童虐待対応などが大きな課題となっていると説明。保育施設の整備や保育士の処遇改善、自然保育認証制度など県が進める施策について紹介しました。

「保育人材の確保や定着、児童虐待の対応が課題だ」と話す原見氏

 また、児童虐待の相談件数が高い水準で推移している現状にも触れ、「保育現場は子どもの小さなサインを見逃さない重要な役割を担っている」と指摘。児童相談所や市町村との連携を強化しながら、地域全体で子どもと家庭を支える仕組みづくりの必要性を訴えました。

 後半では、社会福祉法人森友会理事長を務める立山貴史氏が「人口減少社会における保育園・幼稚園の生き残り戦略」をテーマに講演。立山氏は、自身が大分県の国東半島で戦前から続く幼稚園を母体とする法人経営に携わってきた経験を紹介しながら、全国的な少子化の進行が保育や幼稚園業界に与える影響について解説しました。
 立山氏は、出生数が国の推計を上回るスピードで減少している現状を示した上で、「これまでと同じ経営モデルでは生き残れない時代に入っている」と強調しました。一方で、保育施設が地域社会の中で果たす役割の重要性についても言及し、「保育所や認定こども園は単に子どもを預かる場所ではなく、学童保育や児童発達支援などを含めた地域の子育て拠点へと進化することが求められている」と指摘。人口減少時代においては、施設単体で考えるのではなく、地域全体の子育て環境を支える存在として機能することが重要であるとの考えを示しました。

生き残り戦略として立山氏は変化への対応力と保育施設の多機能化の重要性を訴えた

 また、事務作業や文書作成などにAIを積極的に活用することで、保育者が本来向き合うべき子どもや保護者への支援により多くの時間を充てることができるとし、「人口減少社会を悲観するのではなく、変化に対応する経営と保育の質向上を同時に進めることが重要」と参加者に呼びかけていました。

 次回は6月25日(木)に駒澤大学深沢キャンパスのアカデミーホールで、保育政策シンポジウム「子どもが夢中になる保育 ~豊かな育ちとは何か~」を開催します。主体性や協同性、自己表現力など非認知能力をテーマに「東京すくわくプログラム」を実施する東京都が後援に入り、子どもたちの主体的協同的な探究活動を支える保育を共に考えていきます。入場無料ですので、会員以外の方もたくさんお誘いください。

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