日本保育連盟の設立総会が開催されました

 一般社団法人 日本保育連盟の設立総会が4月26日、東京都中央区日本橋のオルクドールサロンで開催され、新たに連盟の会員となる保育事業者らを含めて約70人が参加しました。

 総会では冒頭に杉村栄一代表理事が挨拶に立ち、「子どもたちが保育園に入れない待機児童問題は解消したが、今の保育は質の問題が問われてきている」と問題提起。これを踏まえ、連盟が目指す「認定保育士」の資格創設により、保育者が専門知識やスキルを身に付けることができるとし、「一つ上のレベルで保育士を育成して保育の質の向上を図っていく」と話しました。
 また、杉村代表理事は、認定保育士制度の創設を目指すため「(行政や関係団体などの)幅広い支持を得ながら活動を行っていく」と、行政や他の保育団体に協力や理解を求めていく姿勢も示しました。

 この後に行われた特別講演では、都議会都民ファースト会で政策調査会長を務める後藤なみ都議が登壇しました。後藤都議は現在2期目でリクルートなど民間企業から政治の世界に入り、現在は都議会知事与党として小池百合子都知事と共に政策を立案していると説明。続けて都政における最大の課題として少子化対策を挙げ、「待機児童は解消しても、子育て家庭の課題は山積している」とも指摘しました。
 具体的な問題として後藤都議は①10人に1人が産後うつになる②出産後1年未満の最も多い死因は「自殺」③在宅子育て家庭の孤独・虐待リスク④幼保教育の一元化の必要性⑤医療的ケア児・発達障害児の受け入れ問題―など上げ、「これからの保育は子育て家庭の課題解決拠点として役割が求められる」と、今後の保育の在り様について持論を展開しました。

 質疑では参加者から「認定保育士は都議会で議論の対象になり得るか」という質問に対して、後藤都議は「もちろんです。行政と連動して都議会から問題提起をしていくことも重要なこと」と答えるなど、今後の議論の必要性について言及しました。

 また、この日は東京都が子育て支援施策の目玉に位置付けている「すくすくわくわくプログラム」について、東京都福祉局子供・子育て支援部の青山佳司保育支援課長が事業説明を行いました。
 青山課長は、全ての乳幼児の豊かな心の育ちをサポートして主体的・協同的な「探究活動」の実践を促進するプログラムの概要を説明。「乳幼児の興味・関心に応じたテーマ設定を行ったうえで、問いかけやアプローチを行う」「一人一人が主体的に活動できるよう配慮した声かけなどを行い、保育者同士や保護者にも探究活動の内容を共有する」などと話しました。「自然」や「泥砂遊び」、「光」や「音」、「楽器」などを使用した実践例を紹介しましたが、参加者から「英語やパズル、食育などはテーマになりますか」という問いには「もちろんなります。プログラムに「探究」というテーマを入れることが大切になります」と話していました。

 すくわくプログラムは東京都などが主催して6月に研修会が開催されますが、研修会は対面だけでなく、オンラインやオンデマンドでも行うということで、その後、プログラムについての申請が開始されます。社会福祉法人は東京都、認可保育園などは園を管轄する基礎自治体が申請窓口になります。

 日本保育連盟の次回の勉強会は6月5日(水)です。テーマは「保育士採用の成功事例を学ぶ」(仮)。

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