今秋誕生「認定保育士」受講生が学び報告 東京都からは子育て予算を共有 今年初の定例勉強会
日本保育連盟(代表理事・杉村栄一)は2月24日、東京都中央区の日本橋オルクドールサロンで今年最初となる定例勉強会「令和8年度の東京都子ども支援施策の特徴について~講演及び認定保育士プログラムの学びの報告」を開催しました。勉強会では、東京都の立澤文敏課長が保育サービスと質の向上に向けた都の子育て支援策を紹介。また、星槎大学大学院で昨年始まった認定保育士プログラムの第1期生として受講を続けるひまわりキッズガーデン小茂根の安斎愛生園長が講座での学びについて報告しました。保育の専門性向上を目指す新たな資格制度として注目を集める認定保育士は今秋にも誕生する見通しで、会場を訪れた約70人の保育関係者らは講演を熱心に聞き入っていました。
勉強会では冒頭、杉村栄一代表理事の新年講話が行われました。杉村代表理事は「今年はいよいよ認定保育士の第1期生が誕生する予定で、連盟にとっても大きな節目の年になる」と述べました。認定保育士制度については保育実践を理論的に整理し専門職としての力量を高めることを目的としていると説明。「制度の意義を広く理解してもらうためには、さまざまな保育関係団体や組織との連携が不可欠」としたうえで、「行政に制度の趣旨を理解して貰いながら認定保育士を社会に根付かせていきたい」と強調しました。

続いて東京都福祉局の立澤文敏課長が登壇し、令和8年度の東京都の保育関係施策について講演。立澤課長は少子化が進む一方で保育ニーズが多様化している現状に触れ、主な施策としてはまず国が進める「こども誰でも通園制度」に対応した乳児等の支援給付の導入を明らかにしました。これは、保育所などを利用していない6か月から3歳未満の子どもを対象に月10時間まで保育施設を利用できる制度で、利用料の給付について東京都も負担する仕組みを整えるものです。

立澤課長は「在宅で子育てをしている家庭でも必要に応じて保育サービスを利用できるようにし、育児負担の軽減や子どもの社会的経験の機会確保につなげたい」と述べました。また、保育現場の安全対策としてアレルギー児への対応支援として、医師の診断などに基づき個別に除去食への対応を行う施設への補助(月額2万2千円)に加え、施設全体で特定のアレルギー食品を提供しない場合には年間12万円を支給する制度の新設について説明を行いました。
さらに、保育士のキャリアアップ支援や宿舎借り上げ支援、保育補助者の配置支援、事務負担軽減のための職員配置補助などを通じて保育士が働き続けやすい環境整備を進める方針を目指し、「光熱費や食材費の高騰など物価上昇の影響を受ける保育事業者への支援も実施し、保育サービスの安定的な提供を後押ししていく」と話しました。
勉強会の最後には認定保育士の第1期生として履修カリキュラムを受講する社会福祉法人ひまわり福祉会「ひまわりキッズガーデン小茂根」の安斉愛生園長が講座での学びについて報告しました。安斉園長は自身の経歴を紹介しつつ、「保育現場では見て覚える、前例踏襲といった経験則に依存しやすい」と指摘し、現場に蓄積された暗黙知を理論や科学的根拠と結び付けて整理する必要性を感じ、認定保育士プログラムの履修を決めたと語りました。

星槎大学大学院での講座はオンデマンドとウェブライブを組み合わせた年間約60時間のプログラム。現在、法人や社会福祉法人の保育園長ら10人が受講しており、レポート作成や論文執筆に取り組みながら学びを深めています。安斎園長が取り組んでいる研究テーマは「インクルーシブ保育と組織マネジメント」。リーダーシップなどの先行研究を整理しながら、保育所における協働のあり方を理論的に整理することを目指しているといいます。
安斉園長は「現場にいる保育士だからこそ、学びをすぐ実践に生かして日々検証することができることが大きい」と述べるなど、認定保育士制度が保育の専門性向上と保育士の新たなキャリア形成につながることに期待を寄せていました。
認定保育士の第2期生は現在募集中で詳細は連盟ホームページや星槎大学大学院ホームページで確認するこができます。

次回の勉強会は4月9日(木)。テーマは「高市政権における保育政策の動向と今後について」で、こども家庭庁成育局保育政策課の栗原正明課長に登壇いただき、高市内閣による子育て支援政策の行方について考えます。
