認定保育士プログラム第1期生 中間発表会を開催 ~保育現場の課題を問い直し、研究を通じた課題解決へ~

 一般社団法人日本保育連盟(代表理事・杉村栄一)と星槎大学大学院(学長・西村哲雄)が連携して実施する「認定保育士履修証明プログラム」を受講する第1期生の中間発表会が4月25日に横浜市にあるニュースパーク(日本新聞博物館)で開催されました。当日は、保育現場で働く受講生10名が、それぞれの実践現場で抱える課題を研究テーマとして設定し、論文執筆に向けた中間報告を行いました。

中間発表会が行われたニュースパーク。普段はジャーナリズム全般を資料や展示で学ぶことができる

 発表では、現場で感じている違和感や課題を単なる経験談で終わらせるのではなく、文献研究や調査研究を通じて理論化し、実際の保育改善へ結び付けようとする姿勢が共有されました。

 また、質疑応答では、指導教員や受講生同士による活発な議論が行われ、研究対象の設定方法や分析手法、また保育現場との関わりなどについて意見交換が行われました。研究を進める中で「迷うこと」そのものが学びであるという助言もあり、受講生たちは互いの研究から刺激を受けながら、今年10月の論文完成に向けて理解を深めていました。

主な研究発表は以下の通り

・安斎愛生氏(社会福祉法人ひまわり福祉会)
「保育所におけるインクルージョンを支える組織マネジメント」
 安斎氏はインクルーシブ保育を支えるためには、特定の職員の力量に依存する属人的な運営から脱却し、心理的安全性を基盤とした組織文化づくりが必要であると発表しました。保育の質を継続的に担保する組織マネジメントのあり方について研究を進めています。

安斎氏

・近藤みさき氏(株式会社サムライウーマン)
「保育のスキル向上につながる学びのツールについての研究
 近藤氏は、保育者自身の幸福感やコミュニケーション力が保育の質に大きく影響すると指摘。現在の研修や面談が本当に保育の質向上につながっているのかを問い直し、保育者の成長を支える学びのあり方について研究しています。

近藤氏

・櫻井仁貴氏(株式会社ディアローグ)
「保育者の働きがいと保育の質向上の検討」
 桜井氏は、保育士の早期離職の背景にある「ワークエンゲージメント」に着目。職場の人間関係や対話のあり方が働き続けられる職場づくりにどのようにつながるのかを研究しています。

櫻井氏

・染谷真希氏(社会福祉法人清香会)
「ペアレントトレーニングを応用したティーチャーズトレーニングが保育に及ぼす有効性」
 染谷氏はオンラインで発表しました。不適切保育が社会問題化する中で、保育者自身の関わり方や子どもの理解を深めるためのトレーニングに着目。オンライン型ティーチャーズトレーニングが保育の質向上にどのような影響を与えるのかを研究しています。

オンラインで発表した染谷氏

・張愛和氏(AIAI Child Care株式会社)
「特別な配慮が必要な幼児の片付け場面における保育者の判断過程」
 張氏は、片付け場面における保育者の判断の過程に焦点を絞り、特別な配慮が必要な幼児への支援のあり方を研究。保育現場における実践知の可視化を目指しています。

張氏

・中鉢友梨氏(社会福祉法人檸檬会)
「育児休業中から復職にかけての母親のメンタルの変化支援の在り方」
 中鉢氏は、育児休業から復職する母親の心理変化や不安感に注目。保育現場が保護者支援にどのように関われるのか、その具体的な支援のあり方を研究しています。

中鉢氏

・中村知代氏(AIAI Child Care株式会社)
「インクルーシブ保育を支えるリソースルームの機能と役割について」
 中村氏は、多様な発達特性を持つ子どもを支援するため、学校教育で導入されているリソースルームの考え方を保育現場に応用する可能性について研究しています。

中村氏

・日向美奈子氏(株式会社ハイフライヤーズ)
「「気になる子ども」に対して保育士が感じる保育困難感について」
 日向氏は、いわゆる「気になる子」に対して保育士が抱く困難感に着目。アンケート調査を通じて困難感を軽減する支援策の明確化を目指しています。

日向氏

・深澤希美氏(学校法人三星学園)
「保育の質向上における園長のリーダーシップに関する文献研究」
 深澤氏は、園長による保育士理解が保育の質向上に与える影響について研究。保育士一人ひとりの専門性や価値観を理解する組織的支援の重要性を提起しました。

深澤氏

・森田やよい氏(キッズブレア株式会社)
「発達障害児を養育する保護者のストレス要因とその対処法」
 森田氏は自身の子育て経験を踏まえ、発達障害児を育てる保護者の孤立感や不安、ストレス要因について研究。保護者支援のあり方を模索しています。

森田氏
一般社団法人 日本保育連盟お知らせ認定保育士プログラム第1期生 中間発表会を開催 ~保育現場の課題を問い直し、研究を通じた課題解決へ~